第153回:そけい部を縮めている方へ
1: 大事なそけい部
そけい部というのは、足の付け根の部分で、
膝を抱える時に、折り曲げられる場所です。
そけい部はリンパの集まる場所でもありますが、
強い痛みを出す原因となる場所でもあります。
とても大事な場所です。
腰や股関節、太ももに痛みが走る方は、
そけい部付近が固まっている方が多いです。
そけい部付近の筋肉の弾力性がなくなっている為、
その筋肉を伸ばす動き(立つ、歩く、仰向けなど)や
力を入れる動き(起き上がり、立ち上がり、体重を乗せる動きなど)
で痛みがでます。
結構、強い痛みを出しますので、要注意です。
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2: そけい部を固める姿勢
そけい部を固める姿勢は、
大きく分類すると4つあります。
①そけい部を縮める姿勢
・上半身を前傾(PC、スマホ、ももや机に肘をつくなど)
・しゃがむ姿勢
・片膝を立てる
・横向きで膝を抱えて寝る
・足を組む
・イスで腰を反らす
・足をイスの下に引いて座る
・立ち上がる など
②片側体重で座る姿勢
・足を組む
・片肘を付く
・片手を付く など
③膝を内に入れる姿勢
・ペタンコ座り
・イスで膝と膝を合わせる
・横向きで寝る時に上側の足が布団についている など
④上半身を捻じる姿勢
・捻じりながらTVを見る
・捻じりながら人と話をする
・捻じりながら物をとる など
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3: そけい部に関わる筋肉
そけい部付近の筋肉は
ざっくり分けると4つあります。
①お腹の奥の筋肉(大腰筋)
・「腰の背骨」から「内ももの奥の足の骨」に付着しています。
・足を上げる動きや上半身を起こす時に働きます。
②骨盤の内側の筋肉(腸骨筋)
・「骨盤の内側全体」から「内ももの奥の足の骨」に付着しています。
・足を上げる動きや上半身を起こす時に働きます。
(大腰筋とほぼ同じはたらきです。)
③腹筋の付着部
・よく言われる腹筋です。お腹側の肋骨の下部からそけい部に付着しています。
・上半身を起こすときに働きます。
④足の筋肉の付着部
・足の内側の筋肉です。
・足を内に捻じる、足を内に動かす時に働きます。
(他にも太ももの筋肉もあります。)
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4: そけい部を固めない工夫
まず日常生活で行っている下記の姿勢に気付いて下さい。
・そけい部を縮める
・片側体重
・上半身を捻じる
・足を内に入れる
気付いたら避けるを繰り返して、
そけい部を固めない姿勢を癖づけて下さい。
ただ、仕事や日常生活で
どうしてもそけい部を固める姿勢にならないと
いけない場合もあります。
その時にどうしたら良いかのアドバイスをします。
(右そけい部を固めない工夫)
●そけい部を縮める姿勢
<下のものを取る>
・左足を前に出して、ものを取る
・右足を前の場合は、お尻を突き出すようにして、
少しかかと側体重となる。
(そけい部を縮めても力が入らない状態を作れます。)
<座っている時に上半身を前傾する>
・足をあぐらっぽい形にする
・お尻を後ろに滑らせるようにし、上半身を前傾させる
<しゃがむ>
・足を外に開く
・片膝を地面に付ける
<立ち上がる>
・足を外に開く
・上半身をなるべく前傾させない
・左足を立てて、立つ(床から立つ場合)
●体を捻じる姿勢
・向く方向につま先を向ける
ポイントはそけい部に負担の掛かる姿勢でも
そこに力を入れない状態を作ることです。
上記のアドバイスを参考に
体の使い方を見直してみて下さい。
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