第94回:呼吸による姿勢作り
1: 姿勢
私たちは姿勢を正そうと意識しない限り、
全身の力を抜いて座ると、どうしても猫背になります。
更に、視覚から情報を得ることが多い為、
顔が前に出てしまい、より猫背になります。
・座りながらのスマホを操作
・パソコンを操作
・ソファーに寄りかかりながらテレビを見る
・テーブルに肘を付きながらテレビを見る
・車の運転
などなど
思い当たる節は沢山あると思います。
当院でも姿勢については、
色々と説明していますが、
今回は呼吸の意識により姿勢を変えたいと思います。
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2: 呼吸
私たちは意識をしなくても呼吸ができます。
ですから、深い呼吸の大切さは何となく分かっていますが、
意識して深い呼吸をすることは少ないですよね。
・呼吸が止まれば、生きていけません。
・呼吸が浅ければ、脳への酸素不足になり、
不安や緊張の原因にもなります。
・呼吸が浅ければ、横隔膜が動かない為、
内臓のマッサージも出来ません。
(横隔膜が動くことで内臓へのマッサージ効果あり)
(特に腹式呼吸の場合)
もしかしたら、深い呼吸することは、
準備運動やラジオ体操の時だけかもしれません。
この深い呼吸と姿勢は大きく関係しています。
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3: 猫背の姿勢
私たちは何も意識していないと
猫背の姿勢になることが多いです。
猫背の姿勢をしていると、
深い呼吸をしようとしても
物理的に出来ません。
呼吸する時は、肺自体が動くのではなく、
周りが動くことで、肺が動きます。
周りが動くというのは、2つあります。
1つ目は、肋骨です。
肋骨の間にある筋肉や肋骨を持ち上げる筋肉により、
肋骨が広がり、肺が膨らみます。
2つ目は、横隔膜です。
横隔膜は肋骨の下側にドームの天井のように付いています。
横隔膜が下がることで、肺が膨らみます。
肺が膨らまない事には、大きく息を吸うことはできません。
猫背の姿勢では、肋骨も横隔膜も動きにくい状態となる為、
大きく動かせず、呼吸も浅くなってしまいます。
試しに、猫背とまっすぐの姿勢で大きく息を吸って比べて見て下さい。
猫背の方が肋骨が動きにくく、息が吸いづらいのが分かります。
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4: 呼吸により姿勢を正す
呼吸のしやすい姿勢を見つけることで、
自然と良い姿勢になります。
猫背に関しては、先程、説明した通り、
呼吸はし辛いです。
次に反り腰についてみてみましょう。
座って腰を反らせた状態で
深呼吸をして見て下さい。
腰を反らせていると、
呼吸はしやすいです。
しかし、反り腰で息を吸うと、
身体の前側の肋骨は膨らみますが、
背中側は膨らみません。
背中側が緊張しているからです。
よって、
身体の前側も後ろ側も緊張していない姿勢は、
息を吸う時に身体の前側も後ろ側も膨らむ姿勢です。
では、猫背から反り腰まで角度を徐々に変えながら、
息を大きく吸ってみて下さい。
大事なのは、前側も後ろ側も膨らみやすい姿勢です。
次に首の角度も試してみて下さい。
顔を前に倒した状態から徐々に顔を上げていくと
呼吸がしやすい角度が見つかります。
それでもよく分からないという方は、次の姿勢をして下さい。
座った状態で猫背から息を吸って、伸び上がり、まっすぐの手前で止めます。
あごを少し上げます。
時々、息の吸いやすい姿勢をしようと心掛けると、
呼吸も深くできるし、姿勢も良くなるので、
一石二鳥です。
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