第60回:前屈が出来ない
1: 前屈
社会人になると運動する機会が減り、
前屈をしなくなりますよね。
そして、気付いて前屈をしてみると、
昔は、床まで指が付いたのに・・・。
こういう方、多いですよね。
ひどい方は、床から20cm以上
指先が離れている方もいます。
運動していないから
身体が硬くなってもしょうがないと
諦めるのも一つですが、
さて、どこが硬くなったのでしょうか?
何が原因なのでしょうか?
簡単に説明していきますね。
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2: 前屈のやり方
前屈の目的はもも裏のストレッチです。
よく見かけるのが、
指を床に着けようと意識して行う前屈です。
腰から曲がる為、腰のストレッチになります。
これは、本来の前屈ではありません。
本来の前屈(もも裏を伸ばす)をする為には、
そけい部(ももとお腹の境目)に手を置き、
手を挟む(そけい部を折りたたむ)意識で前屈しましょう。
すると、床と指の距離が近くなる方も多いです。
ただ、このやり方でも床と指の距離が
20cm以上離れている場合は、
ある筋肉が固まっています。
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3: 影響している筋肉
前屈が硬い人の原因として
よく言われるのは、
・ふくらはぎ
・もも裏(ハムストリングス)
の硬さです。
前屈の時に引っ張られる為、原因の一つですが、
その筋肉の柔軟性だけが問題ではありません。
私がもっとも影響していると思っている筋肉が、
お腹の奥にある『腸骨筋(ちょうこつきん)』です。
この筋肉が硬くなりすぎると、
そけい部を折り畳めない状態になります。
床から20cm以上、指が離れている方は、
間違いなく硬くなっています。
<改善案>
骨盤(腰)を両手で上から下に押さえて歩く。
骨盤が安定して歩けると、バランスも変わります。
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4: 原因と対策
腸骨筋が硬くなる主な姿勢。
避けましょうね。
●お腹とももの距離が近い姿勢
・足を抱え込んで横向きで寝る
・体育座り
・しゃがむ姿勢
・机やももに肘をついて座る
●猫背
・あぐらでの猫背
・椅子で足を組む
●腸骨筋を緊張
・椅子で足を後ろに引き、かかとを浮かして座る
・反り腰で座る、立つ
腸骨筋を緩める体操。
●体操①
イスに座った状態または正座で
息を吸って背筋を伸ばす。
息を吐いて猫背にする。
を20回繰り返す。(1日3セット以上)
●体操②
アキレス腱を伸ばす姿勢から、両足を前後に開きながら、
後ろ脚の膝を床に着けます。
上半身を立てたまま、前脚の膝を90°にして、
体重に前脚に乗せていき、そけい部を伸ばします。
(10~30秒)
●体操③
自転車に10分~20分乗る。
(坂道は避ける。)
(上半身を立てながら乗る。)
前屈が硬くなるのは日常生活が原因だと理解して、
まず原因から減らして下さいね~。
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