なぜ膝に水が溜まるの?
1: 膝の構造
よく「膝に水が溜まったので抜いて貰いました!」という声を耳にしますが、
「なぜ膝に水が溜まるの?」
「どこから水は来るの?」
「注射で水を抜くと良くなるの?」
と思った事はないですか?
まずは膝の構造について簡単に説明します。
膝関節はイラストのように、
・太ももの骨とすねの骨を結ぶ靭帯
・クッションの役割をする軟骨と半月板
・その周りを包む関節包
・関節包の内側にある滑膜
・滑膜の内側を満たしている滑液
があります。
この滑液がよく「膝に水が溜まる」といった時の水と表現されるものです。
2: なぜ、膝に水(滑液)が溜まるの?
元々、膝に水(滑液)はあるのですが、通常より滑液が溜まる理由は、ほとんどが『滑膜の炎症』です。
滑液は滑膜によって作られたり、吸収したりを繰り返し、一定の量を保っています。
ただ、滑膜が炎症すると、滑液を作ることはできますが、吸収することができなくなります。
その結果、滑液の量が増え、水が溜まっている状態となります。
膝の水の量が多くなると焦ると思いますが、メカニズムが分かることで、少し落ち着けると思います。
3: 膝の水は抜いた方が良い?
お医者さんでは通常、膝の水(滑液)を注射で抜いて対応します。
それでも溜まる場合は炎症を抑える薬を注射して炎症を抑えようとします。
水を抜く事で、水が溜まらなくなる方もいますし、膝を曲げやすくなる方もいますので、一概に否定はしませんが、根本原因の解決にはなりません。
また、水を何回も繰り返しぬくことで、滑液を作らなくなる方も居るという話もありますので、安易に注射で水を抜くことは避けた方が良いです。
水を抜いても注射をしても水が溜まってしまう方は、根本的に炎症の原因を無くす必要があります。
4: 水が溜まった時の対応
水が溜まる原因は、膝の滑膜の炎症です。
皆さんは、いきなりお医者さんで水を抜いてもらいますが、その前に氷水で冷やすことをおすすめします。
準備はビニール袋(ジップロックなど)に氷と水を入れます。
膝が痛くない状態(辛い角度は人によって異なります。)で氷水の袋を膝に当てます。
10分~15分間冷やし、また時間を置いて10分~15分間冷やすを繰り返します。
(10分~15分間は、冷たい感覚が無くなる時間の目安です。)
仕事が休みの日に1日中行うと、次の日には膝を動かしやすくなります。
勿論、日常生活で膝の負担になる姿勢や動作がある場合、膝まわりの筋肉が固まっている場合、膝のゆがみが強い場合は、その影響により炎症が起きますので、氷水だけでは変わらない場合は、整体で膝の状態を変えた方が良いと思います。
膝の負担の減らし方は、別コラムで見て下さい。
いきなり膝に水が溜まってきた方は、まず焦らずに氷水で冷やすと覚えて置いて下さい。
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