第八回: 良い姿勢は筋トレ?
1: 良い姿勢とは?
母親がお子さんに 「良い姿勢をしなさい!」
と言っている事を
耳にした事はないでしょうか?
では、良い姿勢とは何でしょうか?
背筋を伸ばすことでしょうか?
分かりやすく言うと
良い姿勢とは体に良い姿勢、
つまり『体への負担が少なく、
疲れにくい姿勢』のことです。
体に良い姿勢の目安としては、
立ち姿を横から見て、
耳、肩、お腹、踝のそれぞれの中点が
一直線になっていることです。
逆に体に悪い姿勢の例としては、顔を前に出している姿勢があります。
頭が胴体より前にある為、頭が落ちないように首、背中の筋肉で
常に引っ張り続けている状態です。
頭は体重の約10%と言われています。
大人だと5、6kgのボーリングの玉を常に引っ張り続けているとイメージすると、
首や背中にどれだけの負担を掛けているか想像しやすいでしょう。
だから、頭は胴体の上にあり、足裏の上に胴体がある姿勢が
体に負担が少ない、体に良い姿勢となるのです。
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2: 良い姿勢は、なぜ苦しいの?
良い姿勢が体に負担が掛りにくいと何となく理解できても、その姿勢が本当に楽に感じる人は少ないと思います。
猫背の方は、背筋を伸ばす事が苦しく、猫背の姿勢の方が楽に感じます。
体に良い姿勢(負担が少ない姿勢)のはずなのに、 楽に感じないのは
なぜでしょう?
それは、
猫背の姿勢をとるように体の筋肉が使われ続けた為、
その状態を脳が学習したからです。
猫背の方は、背中が丸く、頭と肩が前に出ているのが特徴です。
ということは、猫背の方は体の前側が縮められ、
後ろ側が伸ばされ続けているのです。
ですから、いきなり良い姿勢を取ろうとしても
今までと違った筋肉の使い方をしないといけない為、
苦しく感じてしまうのです。
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3: 良い姿勢を取る為には
では、良い姿勢を取る為に具体的にどうすれば良いのか?
猫背の姿勢を作る為の筋肉が邪魔しているのであれば、
筋肉の使い方を変える必要があります。
ということは、
まずは整体等で筋肉の緊張を解く必要があります。
ここで皆さん、誤解してしまうのが、
整体に行けば猫背は改善すると思っていることです。
私の見解ですが、整体だけでは猫背は改善しません。
整体は筋肉の緊張をといて、良い姿勢をする準備をしているだけです。
「整体」と「良い姿勢の意識」のこの2つで猫背は改善していくのです。
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4: 良い姿勢は筋トレ?
筋肉の緊張が解けたら、
次に良い姿勢を意識することが大切です。
そうすることで、
筋肉の使い方が変わります。
例えば、猫背の方は
体のどこにも力をいれなかった結果、
体の前側が縮められ、
後ろ側が伸ばされ続けていました。
それが良い姿勢を意識することで、 体の前側の筋肉(胸やお腹)を、軽く伸ばし、
体の後ろ側の筋肉(首や背中)は軽く縮めるように
使うようになります。
今までと違う筋肉の使い方をする必要があるので、
私としては一種の筋トレだと考えています。
この筋トレをすることで、良い姿勢が楽に感じるようになっていきます。
腰痛の人が腹筋、背筋を鍛えなさいと言われる事がありますが、
私は良い姿勢を癖付けることで勝手に鍛えられる為、
通常の筋トレは必要無いと考えています。
ということで
日常生活の中で自分で姿勢が悪いな~と感じたら、
その場で30~60秒良い姿勢を意識して下さい。
良い姿勢のイメージが湧かない方は、
肩甲骨を寄せながら頭を軽く後ろに持って行って、
その状態で30~60秒維持して下さい。
それだけでも良い姿勢に近づいていきます。
まずは出来る事からコツコツと取り組んでみて下さい。
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