椎間板ヘルニアと診断された方、必見!
1: 椎間板ヘルニアとは
背骨は、
首の骨が7個、
胸の骨が12個、
腰の骨が5個
あります。
全ての骨と骨の間に
椎間板(ついかんばん)と言われる
クッションがあります。
この椎間板は、お饅頭のようなもので、
お饅頭のあんこの部分である髄核(ずいかく)と
その周りにある線維輪(せんいりん)
から出来ています。
姿勢や体の使い方によって
背骨に負担を掛け続けると、
椎間板が圧迫され続け、固くなり、ひび割れ、
髄核が飛び出します。
この椎間板の中身(髄核)が飛び出した状態を
椎間板ヘルニアと言います。
ヘルニアとは
「本来あるべき部位から脱出した状態」
を指します。
あと、正確には、
首の椎間板のヘルニアは、
頸椎(けいつい)椎間板ヘルニア。
胸の場合は、
胸椎(きょうつい)椎間板ヘルニア。
腰の場合は
腰椎(ようつい)椎間板ヘルニア。
となります。
椎間板の中身が飛び出し、
飛び出したものが神経を圧迫すると
シビレが出ると言われています。
ただ、飛び出したものが柔らかいのと、
神経もピンと張っている状態ではない為、
椎間板ヘルニアによってシビレの症状が
出ることはまれだという話もあります。
2: 椎間板ヘルニアの診断
病院では、最初に腰のレントゲンを撮ります。
(腰が痛い、足にしびれを感じる場合)
ただ、レントゲンでは、背骨しか写らず、
(椎間板も椎間板の中身も写りません。)
椎間板ヘルニアかどうかは分かりません。
レントゲンで何が分かるかというと、
・圧迫骨折(背骨がつぶれている状態)
・分離症(背骨と背骨のひっかり部分が離れている)
・すべり症(背骨が前にずれる)
・側弯症
・背骨と背骨の隙間
です。
お医者さんは、
背骨と背骨の間が、他の間より狭まっていれば、
「ヘルニアかもしれません。」
「軽いヘルニアですね。」
「ヘルニアですね。」
と言います。
ほとんどの方はここで終わり、
あとは湿布、痛み止めの薬、注射
となります。
ただ、症状が重い方や
本当にヘルニアで手術が必要と
思われた場合は、
MRIで状態を確認します。
MRIは椎間板ヘルニアの状態が
100%確認できます。
MRIの結果で、
椎間板ヘルニアの状態を確認し、
間違いなく神経を圧迫している、
そして、日常生活がままならない状態であると
判断されると、手術になります。
(お医者さんによって判断は異なります。)
逆にMRIで
椎間板ヘルニアが確認できても、
神経圧迫が確認出来なければ、
手術はしません。
(絶対とは言いませんが・・・。)
3: 手術で良くなるのは5割?
ネットで色々調べると、
楽になった方の声と共に、
椎間板ヘルニアの手術をしても
症状は改善しなかった。
という声もあります。
手術をして症状が楽になるのは、
5割とも言われています。
MRIで椎間板ヘルニアによる
神経圧迫を確認し、
その圧迫部分を切除したにも関わらず、
症状が変わらないのはなぜでしょうか?
疑問に思う方は多いと思いますが、
足のシビレの症状の原因は、
椎間板ヘルニア以外にもあります。
筋肉自体のシビレであったり、
下記の筋肉による神経圧迫、血管圧迫で
あったりします。
・お尻の奥の筋肉
・もも裏の筋肉
・膝裏の筋肉
ですから、
椎間板ヘルニア以外に原因があれば、
手術をしても症状は変わりません。
椎間板ヘルニアによる
神経圧迫が確認されたとしても
5割の方は原因が別にあるということです。
4: 椎間板ヘルニアが原因ではない?
椎間板ヘルニアが
原因ではないと思われる方の例を
いくつかご紹介します。
①腰痛
来院される方で、
腰の痛みで病院に行き、
椎間板ヘルニアと診断された
という方がいます。
この場合、椎間板ヘルニアが原因で
腰が痛いと思い、来院されるのですが、
椎間板ヘルニアによる神経圧迫で
腰が痛くならないと私は思っています。
坐骨神経の通り道ではない、
シビレや痛みは、椎間板ヘルニア以外の
原因だと思います。
②足の側面のシビレ、痛み
来院される方で、
お尻の足の側面に
痛みやシビレを感じる方がいます。
病院では、
椎間板ヘルニアと診断されたり、
坐骨神経痛と診断されたりします。
こちらも、坐骨神経の通り道でない為、
別原因と私は捉えています。
大体、腸骨筋などが関係していることが
多いです。
③お尻の半分から下からもも裏にかけてのしびれ、痛み
こちらは坐骨神経の通り道ですが、
お尻の奥の筋肉(梨状筋)が
影響していることが多いです。
5: 椎間板ヘルニアになる原因
椎間板ヘルニアだから、
腰が痛い、足がシビレていると思い、
椎間板ヘルニアをどうにかしないと
と思っている方が大半ですが、
なぜ椎間板ヘルニアになったかという、
大元の原因を忘れていると思います。
当たり前ですが、
椎間板ヘルニアは生まれつきでは
ありません。
日常生活の姿勢や体の使い方によって
腰(椎間板)に負担が掛かり、
椎間板ヘルニアになっています。
当院に来られた20代の方で
椎間板ヘルニアの手術を3回した
という方がいました。
手術をすると楽になるのですが、
また数年経つと同じ症状が出て、
また手術をするというのを
繰り返したそうです。
日常生活での
椎間板への負担を減らす以外に、
根本的な解決はありません。
例えば、
腰を反らせて座っている、立っている。
長時間の猫背姿勢。
長時間の中腰。
中腰で重いものを持つ。
など。
腰に負担を掛ける姿勢は多々あります。
手術よりもそこに意識を向けて
日常生活から改善することを
当院ではオススメしています。
6: お医者さんの出来ること
お医者さんが出来ることも
限られています。
整形外科さんに行ったけど、
・レントゲン、MRIを撮る
・電気、湿布
・薬、注射
位しかしてくれないと
嘆く方がいらっしゃいます。
または、
痛い所にも触れず、5分位で終わると
嘆く方がいらっしゃいます。
ご本人の言っていることも分かりますが、
お医者さんは、『保険適用の範囲』でしか
手を出せません。
残念ながら私達整体師と同じ事はできません。
ですから、
分かる範囲、出来る範囲を理解してから
お医者さんに行った方が良いです。と
私は来院された方にお伝えしています。
レントゲンは、骨折やひびが分かるもの。
MRIは、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症が分かるもの。
お医者さんは、電気やシップ、注射をする所。あとは手術。
体のバランスや筋肉の状態は、整体の分野です。
7: 注目するポイントの違い
お医者さんと整体では注目する
ポイントが違うことも知っておいて下さい。
お医者さんは、
基本的に『痛い部位』に
注目します。
腰痛で説明すると分かりやすいですが、
腰に痛みがあれば、腰を診ます。
腰の筋肉や背骨の状態など。
ですから、レントゲンやMRIで
腰をみます。
私達整体師は、
『体全体』や『日常生活の背景』に注目します。
立っている時の体重の掛け方から、
骨盤、背骨のゆがみ、足のねじれなど。
日常生活の体の使い方。
更に直接施術をすることで、
その変化から原因を見つけていきます。
お医者さんは、細かい部位についての専門家。
整体師は、体全体の繋がりや使い方をみる専門家。
どちらが良いとか、優れているとかではなく、
得意分野が違うと思って下さい。
8: 痛みの原因の考え方
お医者さんは、細かい部位についての専門家です。
そして、痛い部位に注目します。
ですから、腰痛の原因をこう考えます。
「腰の部位で通常の方と違う部分が原因」だと。
そこでレントゲンを撮り、
背骨と背骨の間が狭い部分があると、
「これが原因だ!」となります。
「腰痛の原因は椎間板ヘルニアですね。」
しかし、私からすると
椎間板ヘルニアだから腰が痛いというのは
順番が違うと考えます。
<腰痛の場合>
日常生活の姿勢や動作により、腰に負担を掛ける。
⇒腰の筋肉の弾力性がなくなる
⇒腰痛
<椎間板ヘルニアの場合>
日常生活の姿勢や動作により、腰に負担を掛ける。
⇒椎間板の弾力性がなくなる
⇒椎間板がひび割れる
⇒中身が飛び出す(椎間板ヘルニア)
腰痛も椎間板ヘルニアも
「腰に負担を掛ける日常生活が原因です。」
と私は考えています。
お医者さんも整体師も来られる方に
楽になって欲しいという気持ちは
同じです。
ただ、専門分野や考え方、出来ることが違うので、
その事を少しでも理解して貰えたら嬉しいです。
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