第一回:腰痛と睡眠の関係について
1: 椎間板
「腰痛と睡眠の関係」と聞くと、
・寝れば腰に掛かる負担が減る
・筋肉疲労が取れる
というような話だと思いますよね。
それはそうなんですが、今回は皆さんに余り知られていない
背骨の一部である 『椎間板(ついかんばん)』 について
話をしていきたいと思います。
椎間板を簡単に説明すると背骨はいくつもの骨が連なって出来ているのですが、
その骨と骨の間にクッションの役割をしているものがあります。
(左図参照下さい)
それが、椎間板です。
水分を豊富に含んだ組織で出来ており、グミのように柔らかいものです。
そして、背骨にかかる衝撃(体重、地面からの衝撃、動作時の衝撃)を
吸収する役割をしています。
縁の下の力持ちです!
だから椎間板が衰退して(つぶれて)いくと、あらゆる衝撃が緩和されない為、
背中、腰に負担が掛かるようになり、腰痛の原因になります。
椎間板は大事ですね~。
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2: 重力と椎間板の関係
そんな椎間板ですが、衰退する要因の一つに重力があります。
多くの動物は四足歩行の為、背骨に対して垂直に重力が掛かります。(左図参照)
それに対して、
人間は二足歩行の為、背骨に対して平行に重力が掛かります。(左図参照)
ということは、大げさに言えば、椎間板で自分の体重を支えているようなものです。
起きている間はず~っと、押しぶさています。
・台所仕事をしているとき
・パソコンの前で作業をしているとき
・ご飯を食べるとき
・お掃除をしているとき
など、日常生活での自分の行動を想像すると分かりやすいですね。
腰は 全体重の約6割の負担がかかっていると言われている訳ですが
・・・ そんなやわらかいグミ(椎間板)がぐーーーーっと大きな力がかかっている状態で
頑張っているわけです。
どうでしょうか・・・? この様に考えると、
「腰がいたくってさー」
と言っている方が、自分の身の周りからちらほら聞くことがあるのも
なんだか うなづけてきませんか?
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3: 椎間板の休息
さて そんなスゴイ圧力に1日耐え続けている椎間板ですが
身体を横にすると、椎間板の休息ができます。
おおよそ 連続7時間横になることで椎間板の疲労が回復されるといいます。
横になっている間は、椎間板に掛かる圧力が減っている為、その間に椎間板の弾力性が回復するという訳です。
睡眠不足の方が 腰の痛みを訴えることが 多い 理由として筋肉疲労以外にも
椎間板も関係している事が、理解して頂けたでしょうか?
人それぞれ 職業や環境によって色々と違った動き、体勢をしてはおりますが
皆、常に椎間板に負荷がかかっているのです。
そんな 椎間板を休ませて上げるためにも是非、睡眠時間についてもう一度
考えてみてはいかがでしょうか。
<参考>
◆椎間板にかかる圧力
・立っている状態:1.0倍(基準)
・イスに座っている状態: 1.5倍
・仰向けで寝ている状態: 0.25倍
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4: リセット療法での 腰痛への施術方法とメカニズム
椎間板を休息させる為には、
・重力からの解放(仰向けの姿勢が一番!)
・体幹の歪み改善
・骨と骨の間を広げる
ことが大事です。
ということで、リセット療法としては、
① 体の歪みを整えます。
(背骨が左右に曲がっていたり、前後の背骨の湾曲が強いと椎間板の負担になります)
・骨盤の左右差を無くします。
・腰が反り過ぎている方は、骨盤を後傾に戻します。
・上半身、首の捻れを取っていきます。
② 背骨をけん引して椎間板が復活できるスペースを空けます!
・足をけん引しながら揺らします。
・特に腰椎椎間板ヘルニアの方は、両膝を抱え込む姿勢から両膝に圧を加え、
背骨と背骨の隙間を空けて行きます。
(ヘルニアの方でなくても腰が楽になります。)
③ 姿勢指導
猫背の姿勢は椎間板に一番負担を掛けますので、
理想的な姿勢の意識するポイントを指導をします。
施術、睡眠時間の見直し、姿勢改善で
椎間板の負担を減らし、体を楽にして行きましょう!
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