第12回:腹筋と背筋は鍛えた方が良い?
1: 腹筋、背筋と腰痛の関係
腰痛の方から、
こういう質問を受ける事があります。
「腹筋と背筋を鍛えた方が良い
と言われたんですが、 やっぱり鍛えた
方が良いですか?」
「腹筋と背筋のバランスが悪いから
鍛えた方が良いと
と言われたんですが・・・」
当たり前のように言われることですが、 改めて考えると可笑しなことばかりですね。
・どこまで鍛えれば腰痛は無くなるの?
・ジムで体を鍛えている人に腰痛の方はいないの?
・腹筋と背筋のバランスが良ければ、腰痛は無いの?
・腹筋と背筋をバランス良く鍛えれば、姿勢は良くなるの?
私からの答えを出す前に、 痛みのメカニズムを簡単に整理してみましょう。
<慢性的な痛みの場合>
歪んだ姿勢を続ける、又は同じ動作を繰り返す
↓
筋肉に負担がかかり続ける
↓
筋肉の緊張状態が続く(体の歪み)
↓
血液の流れが悪くなり、酸素や栄養が行き渡らなくなる
↓
血液中に発痛物質が出る
↓
痛みを感じる
痛みの原因は 筋肉の緊張状態であり、
更に言うと歪んだ姿勢や同じ動作の
繰り返しが大元の原因です。
ということは、
腹筋や背筋をいくら鍛えても、
体に負担の掛る姿勢や動作を
長時間続ければ、 確実に痛みは
出るということです。
コラム一覧に戻る
2: 腹筋と背筋を鍛える必要がある方とは
では、本当に腹筋と背筋を鍛える必要が
無いのでしょうか?
実はそういう訳でもありません。
やはり、姿勢を維持する為には
最低限の筋肉が必要です。
背筋(せすじ)を伸ばそうとしても
自分の筋力では背筋を伸ばせない方は、
筋トレが必要です。
ずっと腰を曲げている高齢者の方に
多いですね。
このような方は、
息を吸い込んだ時にお腹と背中に力を入れて、
息を吐く時に力を抜くと言う運動を繰り返し、
そして、少しずつ背筋を伸ばすようにして下さい。
焦らずに継続的に行う事が大切です。
コラム一覧に戻る
3: 腰痛を改善する為には
では、それ以外の方は、
どうすれば良いでしょうか?
私の回答は、
「最初は30秒からでも良いので、
良い姿勢を毎日、続けて下さい。
そうすると、良い姿勢をする為の筋肉が
バランス良く鍛えられます。」
皆さん、良い姿勢をとってみましょう。
①息を吸いながらバンザイをします。
②肋骨の位置を維持しながら息を吐き、手だけ下ろします。
どうですか?
腹筋運動をする時と腹筋への力の入れ方が違いませんか?
だから、良い姿勢を続けるというのは
筋トレというよりは、腹筋と背筋の正しい使い方を学ぶ
と言う方が合っているかもしれません。
この状態を最初は30秒からでも良いので維持します。
そうすると、体の使い方の学習にもなるし、筋トレにもなります。
但し、背中や腰、お腹が張っている方は、
良い姿勢自体がし辛い為、ストレッチ又は整体で
筋肉の緊張を解いてから行って下さい。
<まとめ>
腰痛を解消するのに、
筋トレのような腹筋運動や背筋運動をする必要はありません。
日頃から良い姿勢を心がけ、腰への負担を減らすと共に
腹筋と背筋の使い方を学習する事が大切です!
コラム一覧に戻る