第141回:筋肉を緊張させ続けると・・・
1: 脳の学習
筋肉は、脳の指令によって
動かしています。
意識をして、
手や足を動かすことはできますが、
筋肉一つ一つを意識することは
不可能です。
脳が体の使い方を学習して、
筋肉を動かし、体をスムーズに
動かしています。
テニスを習い始めの時は、
とてもぎこちなかったのが、
練習を重ねていく間に
どんどんスムーズに
ラケットが振れるようになります。
これは脳が学習しているからです。
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2: 過度な緊張
大体の方は、肘を深く曲げようとしても
普通に曲げられると思います。
ただ、そのような方でも
重い箱を何十分も両手で持ち続け、
それを毎日繰り返すと、
いつのまにか、何も持たなくても
肘を曲げる途中で、
腕に力が入り、曲げ辛かったり、
痛みが出たりします。
これは、この角度で
この筋肉を縮めると(緊張させる)
脳が学習した結果です。
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3: 脳は常に学習している
脳は常に学習している為、
普段、繰り返される動きや姿勢で
使われる筋肉の使い方を学習します。
例えば、普段、猫背の姿勢をしていると、
猫背の筋肉の使い方を学習します。
すると、猫背が楽になり、
まっすぐの姿勢が辛くなります。
逆に猫背の方も
まっすぐの姿勢を心がけて続けていると、
猫背が辛くなります。
もう一つ例を挙げると
足が痛くなり、
1本杖を突くようになると、
杖に体重を乗せて歩く為、
体は杖の方に傾きながら
歩くようになります。
すると、足の痛みが無くなり、
杖を手放せたとしても
体を傾きながら歩いてしまいます。
これも脳が学習した結果です。
脳は、体に負担をかける姿勢かどうかは
関係なく、今、行っている
体の使い方を常に学習しています。
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4: 予防
①筋肉を縮め続けない
猫背の人は、胸やお腹縮み、
伸びづらくなります。
座った時、反り腰の人は、
腰、鼠径部が縮み、伸びづらくなります。
膝を深く曲げ続けると
膝が伸びづらくなります。
ですから、筋肉を縮み続ける姿勢を
避けるというのがポイントになります。
<予防>
・関節や鼠径部を90度より深く縮め続けない
・反り腰の人は、少し猫背気味にする
(猫背から息を吸って、腰を伸ばしてきて、
まっすぐの手前で止める)
②筋肉を引っ張り続けない
筋肉は引っ張られ続けても、
それ以上、ひっぱらないでと
緊張します。
手を引っ張られて、引っ張られまいと
抵抗するのと同じです。
引っ張られて緊張しやすい部位は、
首の後ろ、背中、ふくらはぎです。
首は顔を前に出すことで引っ張られ、
背中は猫背になることで引っ張られ、
ふくらはぎは、膝をピンと伸ばして
立つことで引っ張られます。
<予防>
・姿勢を正して、顎を少し上げて下さい
・立つ時は、膝を曲げてから、伸ばして、伸ばしきる直前で止めて下さい
③同じ姿勢を続けない
同じ姿勢は、同じ筋肉を使い続けます。
ですから、10分に1回は体を動かすことをおすすめします。
例えば、座っている場合は、
10分に1回、猫背になってみたり、立ってみたりして下さい。
手や足に力が入るお仕事をしている場合は、
肘の向きや体の位置、足のつま先の角度、足の置く位置などを
10分に1回変えると良いです。
是非、試してみて下さいね。
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