第112回:歩く時に杖を使っている方へ
1: 杖を使う方
膝や股関節、坐骨神経痛の痛みで
杖を使っている方いますね。
勿論、バランスが取れなくて、
使っている方もいます。
杖を使うことで、痛めた足に体重を掛けずに歩けたり、
バランスが取れるようになる為、とても便利なのですが、
勿論、良い事ばかりではありません。
杖を使うことで体のバランスが崩れたり、
他の場所に負担が掛かったりします。
一本杖が良いのか、二本杖が良いのか、
体重を乗せる杖が良いのか、
ストックのような杖が良いのかも含めて、
今回は杖について説明していきます。
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2: 一本杖
一本だけ杖をついている方、多いですね。
杖をつきながらも片方の手が空く為、
物を持ったり、他のこともできます。
その点では便利です。
ただ、一本杖の場合は、杖に体重を乗せる為、
杖をついてる側に上半身が倒れ、
身体のバランスは崩れてますね。
身体のバランスが崩れると筋肉にも
負担が掛かり、痛み出てきます。
更に杖をついている側の腕や肩も
常に力が入っている為、
辛くなってきます。
また、杖が必要なくなった時に、
杖なしで歩こうとすると
身体のバランスが崩れている為、
上半身を傾けながら歩いてしまいます。
脳は体の使い方を常に学習していますので、
一本杖を使った歩き方を学習してしまい、
自分では身体をまっすぐにして
歩けなくなります。
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3: 二本杖
杖を二本使うというのは2種類あります。
①一本杖(体重を載せる杖)を二本使う
②スキーのストックのように横から持つ杖を二本使う
どちらが良いかは、その方の体の状態によります。
足に少しでも体重を乗せるだけで辛い方は
①をお勧めします。
痛みの強さが弱かったり、バランスがとれないので
杖を使っている方には②をお勧めします。
①はあくまでも重症な方です。
また、体重をあまり乗せないことで
痛みが軽減する方です。
①は、一本杖のように片側に偏ることはありませんが、
体重を腕である程度支える為、腕や肩が辛くなります。
背中も丸くなっていきます。
ですから、痛みが軽減してきたら、
②を使うか、①の杖を長くして使い、
体重をあまり乗せずに歩くようにするのが
良いです。
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4: 来院者さん
膝を曲げる時、歩いて体重が載る時に
両膝に痛みが走る90代の女性の方が
当院に通っています。
①の杖を使い、ゆっくりと歩いています。
台所ではシンクに片肘をつきながら
食事を作ったり、茶碗洗いをしているそうです。
ちょっと驚きです。
施術で膝の太もも側、裏側を施術し、
膝下の骨の位置を変えていくと
来院する度に痛みが減りました。
歩く時の痛みが軽減すると共に
体重を掛けなければ膝を曲げても
痛みが出なくなりました。
(以前は、寝返りで膝を動かすのも辛かったそうです。)
それから施術を繰り返すうちに
体重が乗る瞬間の痛みも無くなり、
最後に残ったのが、
後ろ足を前に持ってくる時の
膝の痛み。
そこで、結構前かがみで歩いているから
膝を上げる時に余計に力が入り、
痛いのだと思い、杖の高さを高くしました。
すると、上半身が起こせた為、
膝も上がりやすくなり、
歩いている時の膝の痛みはなくなりました。
更に胸も広げられて楽~という声も。
杖の使い方一つで、体の負担も減ります。
是非、杖の使い方、見直してみて下さいね~。
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