第11回:交互に足を組むのは良い?
1: 足を組むことの影響
来院される方に
「座る時に足を組みますか?」
と聞くと
「足を組むと骨盤が歪むって聞いている
ので、交互に組むようにしています。」
という答えが返ってくることがあります。
この方法が良いかどうかは
後で答えるとして、
まずは足を組むことの
影響を確認して行きましょう。
実際に右足を左足の上に組んで見ましょう。
体はどのようになっているでしょうか?
(座り方によって異なりますので、あくまでも一例です。)
【足を組んだ時の体の歪み】
<回旋系の歪み>
右足を上に組む
⇒ 左足より右足が前に出る
⇒ 骨盤は左側を向く 骨盤は左に向いているが、
顔は正面を向いている為、
上半身(お腹、胸、腰、背中、首)は常に
左に捻じられます。
<左右の傾き>
右足を上に組む
⇒ 左のお尻へ重心が掛る
⇒ 骨盤が左側に傾く 骨盤が左側に傾くと、
バランスを取る為に上半身は右側に傾きます。
背骨がCの字になり、顔も傾きます。
<猫背>
足を組むと背筋を伸ばし辛くなる為、
自然に猫背となります。
<その他>
右足を上に組む ⇒ 右足が前に引っ張られる
⇒ 右側の骨盤が足の方に引っ張られる
⇒ 骨盤が左右非対称になる
足を組むだけで、実はこれだけ体を歪ませています。
想像以上だったのではないでしょうか?
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2: 足を交互に組むことの効果
次に足を交互に組む事について
考えてみましょう。
一概に良いとも悪いとも言い難いです。
<メリット>
ずっと右足を上に組んでいると同じ筋肉が
使われ続ける為、体の歪みはどんどん
強くなっていきます。
しかし、足を交互に組むことで、他の筋肉も
使われる為、同じ側の足をずっと組み続け
るよりは、歪みにくくなると言えます。
<デメリット>
残念ながら足を交互に組むだけでは体の歪みは整いません。
理由としては
① 足を交互に組んでも、左右対称の姿勢
にはならない(必ず体の癖が出る)、
② 左右で筋肉の付き方が違う為、
仮に左右対称に足を組めても体は歪む
また、交互に足を組むということは、
それぞれの歪み方が混じり合う状態になる為、
歪みがどんどん複雑化していきます。
結論を言えば、
『足を組むこと自体、止めましょう!』
ということになります。
足を組む事で、足が楽になったり、精神的にも落ち着いたりしますが、
体の歪みの観点から言うと、良い影響はありません。
足を組んでいるのに気付いたら止める!
その繰り返しの中で、足を組む習慣を無くして行きましょう!
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